映画『沈黙のパレード』の物語は数年前から行方不明になっていた並木佐織の遺体が発見される事件から始まります。
事件の容疑者は湯川の大学時代の同期である刑事・草薙俊平がかつて担当した少女殺害事件の容疑者で無罪となった男・蓮沼寛一でした。
男は今回も黙秘を貫いて証拠不十分で釈放され、菊野市に戻ってきます。
憎悪の空気が町全体を覆う中、パレード当日にその蓮沼寛一が死亡するという事件が起こります。
今回は映画『沈黙のパレード』で殺害された蓮沼寛一の犯人とそのトリックについてみていきましょう。
沈黙のパレード 蓮沼を殺したのは誰?
蓮沼の遺体が発見される
菊野市では菊野商店街のメンバーが中心となって毎年開催されるキクノ・ストーリー・パレードが始まる。
イベントは大盛り上がり。
そして過去に並木佐織も出たことのあるのど自慢大会がスタート。
しかしのど自慢大会中に突如おびただしいパトカーのサイレンが響き渡る。
一体何が起きたのか?
パトカーがやってきた理由は・・・パレード中にある人物が殺害されていたのだ。
そのある人物とは・・・蓮沼寛一だった!!
第一発見者増村栄治
蓮沼寛一が殺害されたのはまさにイベントの真っ只中。
犯行が行われたのは時刻は午後3~5時。
場所は居候していた増村栄治の部屋の物置。
遺体からは睡眠薬が検出され、外傷がなく、争った形跡もない。
睡眠薬でねむらされてるときに何者かに殺害された可能性が高い。
真っ先に疑われたのは・・・
第一発見者の増村栄治
増村は蓮沼の元同僚で現在は自分の部屋の物置に居候させている。
増村はその日パレードを見た後、パチンコをして、家に戻った。
帰って来たときに蓮沼が息をしていないことに気づいて110番した。
怪しむ警察だが増村にはアリバイがあった。
パチンコ屋の防犯カメラには増村の姿がしっかりと映っていたのだ。
そのため増村が犯人なことはありえない。
湯川が殺害方法を推理
犯人と殺害方法にわからず、四苦八苦する草薙と内海。
湯川は
常連であるなみきやの人たちが疑われていること
草薙のことが心配なこと
から捜査に協力する。
※なみきやの常連になったのも草薙のことを心配しての行動だったと思われる。
湯川は捜査資料から倒れていた蓮沼のマットレスの水分量に注目し、液体窒素が使われていたのではないかと推理する。
しかしまだ犯人には到達できない。
それもそのはず。
蓮沼の殺害には壮大な計画が隠れていた。
蓮沼殺害の計画
増村栄治がなみきやに訪れる
蓮沼がなみきやに来ていた日。
その後増村もなみきやを訪れていた。
増村は蓮沼を居候させている男。
しかしその正体は・・・
15年前に蓮沼に殺害された優奈ちゃん。
そして無罪の判決を聞いて自殺してしまった母親・由美子の兄だった。
増村は15年前から蓮沼へ復讐を果たすことを決意しており、今回なみきやの人たちに正体を明かして計画に協力した。
蓮沼殺害を計画
増村がなみきやを訪れた後、祐太郎と戸島は計画を立てる。
ただあくまで目的は殺害ではなく・・・
蓮沼に犯行を自白させること。
祐太郎自身も本当のことが知りたいだけと言っていた。
しかし戸島はもし蓮沼が佐織殺害を自白したら、祐太郎がそのまま殺害してしまわないか心配していた。
戸島修作:液体窒素を新倉に渡す
キクノ・ストーリー・パレードの前日にまず動き出したのは戸島。
自身が社長を務めるトジマ屋フーズの冷凍庫から致死量である20リットルの液体窒素を準備する。
パレード当日になり、液体窒素を所持して会社を出る戸島。
その戸島は車で新倉直紀と合流。
ダンボールに入った液体窒素をパレード前に直紀に渡した。
新倉直紀:液体窒素を「チーム菊野」の小道具の中に入れる
パレード前に戸島と合流して、液体窒素を渡された直紀。
液体窒素をパレードのスタート地点まで運び「チーム菊野」の小道具の宝船の中に入れた。
無事に成功した直紀は毎年審査員を務めるのど自慢大会の会場に向かおうとしていた。
宮沢麻耶:液体窒素をゴール地点に運ぶ
「チーム菊野」の宝船の中にはバランスを取るために通常ペットボトルが入っている。
パレード中、宝船の一つには液体窒素が入っていた。
宝船の中に液体窒素が入っていたことを宮沢麻耶は知っていた。
一応液体窒素をパレード中にゴール地点まで運ぶという役割だが、麻耶を計画でどこまで知っていたのかは不明。
高垣智也:液体窒素を蓮沼のいる場所まで運ぶ
パレードは進み、「チーム菊野」の宝船は終着点に着く。
終着点で待機していた高垣は宝箱の中に入っていた液体窒素を取り出し、車で移動。
蓮沼のいる場所まで液体窒素を運び、管理事務所に置いておいた。
(本当は祐太郎へ直接渡す予定だった?)
増村栄治:睡眠薬で蓮沼を眠らせる
計画が進んでいる中で蓮沼はというと・・・
増村に投与された睡眠薬で眠らされていた。
蓮沼が寝ている間に増村は物置の引き戸に細工し、液体窒素を部屋に流されるようにした。
増村はその後、アリバイを作るためにパチンコ屋に向かった。
計画の中止
高垣が運んできた液体窒素を使って、蓮沼を自白させる役割だった祐太郎。
しかしなみきやで食事をしていた女性客が腹痛で倒れてしまう。
救急車を呼ぼうにも当日はパレードで交通規制などもあり、いつ着くかわからない。
仕方なく祐太郎は計画の中止を決意。
女性客を車で病院まで運んでいく。
祐太郎から戸島に連絡があり、そこから伝わっていったと思われます。
計画では祐太郎が蓮沼の元に行き、自白させる予定でした。(殺害目的ではない)
しかし留美が佐織を殺害し、それを理由に蓮沼にゆするられていたことを知る新倉は最初から自分が蓮沼を殺害するために計画に乗った。
2
新倉直紀:計画中止のため液体窒素を回収
計画通りに液体窒素を「チーム菊野」の宝船の中に入れて、役割を果たした新倉。
その新倉に計画の戸島から連絡が入る。
のど自慢大会で審査員を務めることになっていた新倉だが、まだ時間があるため、自分が液体窒素を回収すると申し出る。
そして液体窒素を回収・・・する予定だった。
新倉直紀:蓮沼を殺害
新倉は液体窒素を回収して、計画は終了。
計画は失敗の予定でしたが・・・。
自身の夢を託し、また娘のようにかわいがっていた佐織を殺害した蓮沼に殺意が湧いてくる。
そして本来祐太郎がすることになっていた液体窒素を使っての自白を新倉が実行しようとする。
結果蓮沼から佐織殺害の自供を引き出すことに成功。
しかし気がつくと蓮沼は死んでいた。
最初から殺意を持っていた新倉はそのまま液体窒素を流し込みそのまま殺害した。
さいごに
映画沈黙のパレードで最初の衝撃。
蓮沼寛一の死!!
その蓮沼の死は多くの人間が関係し、複数の事件が絡み合うという複雑なものになりました。
今回はその蓮沼寛一の殺害の流れを時系列にしてまとめてみました。
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