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容疑者Xの献身のあらすじをネタバレありで最後の結末まで紹介します

『容疑者Xの献身』は東野圭吾によって書かれた日本のミステリー小説。
物語は普通の数学教師と思われる男性が秘密裏に愛している女性に対する犯罪を隠蔽しようとする姿を中心に展開します。
しかしその計画は思わぬ展開を辿り、事件の真相へと迫っていきます。

今回はその『容疑者Xの献身』のあらすじをネタバレありで最後の結末までお届けします。

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事件のはじまり

お弁当屋「みさと」で働く花岡靖子は娘の美里と二人暮らし。
二人で幸せに暮らしていたが、靖子は元夫の富樫慎二から付きまとわれてた。

ある日二人の住む家にやって来た富樫はいつものように金をせびり、復縁を迫る。
そこに美里が帰ってきて、靖子は金を渡し早く帰らせようとする。


そして富樫が帰ろうとしたとき、美里はスノーグローブで殴りかかった。
怒り狂った富樫は美里に暴力をふるう。

揉み合いになる中、富樫の首にこたつのコードがひっかかり、靖子はコードで富樫を絞殺してしまう。


するとそこに突然チャイムが鳴り、気が動転する靖子。
隣の部屋住む「みさと」の常連の石神哲哉が物音を聞き訪ねてくる。

靖子はその場を取り繕おうとするが石神にバレてしまう。


事件の被害者

ある日江戸川区の河原で遺体が発見される。
内海薫・草薙俊平らがいる貝塚北署が捜査にあたる。
遺体は全裸で顔はつぶされ、指紋が焼かれてなくなっていた。


程なくして身元が判明。

被害者は富樫慎二であることがわかる。

捜査は開始され、内海と草薙は富樫の元妻である花岡靖子の元を訪れる。
事件のあった数日前に富樫は以前靖子が働いてた錦糸町のクラブに現れていた。


しかし事件の12月2日の行動を確認したところ、靖子と美里はその日待ち合わせをして

映画館を見て
ラーメンを食べて
カラオケに行って

と完璧なアリバイがあった。
完璧なアリバイ過ぎることに草薙は疑いの目を向ける。


靖子のアパートを出たときに隣の部屋に住む石神が通りがかる。
内海たちは石神に事情を聞くが、特に情報は掴めなかった。

その後石神は公衆電話から靖子へ電話。
石神は偽装工作の指示を靖子に出していました。


湯川学と石神哲哉の関係

捜査は難航し、内海と草薙は帝都大学理工学部物理学科准教授の湯川学の元を訪れる。
最初は協力を拒否していた湯川だったが、草薙が容疑者が美人だったということを聞くと一転話を聞くことにした。

映画館・ラーメン屋・カラオケの3つのアリバイの内、ラーメン屋とカラオケについては店員が二人の顔を覚えていた。
そして映画館はパンフレットの間から映画の半券が出てきた。
そのため靖子のアリバイは完璧と思われた。

話を聞いた湯川はもし刑事が来ることを見越して、映画の半券をパンフレットに挟めたのであれば相当な強敵だと忠告する。


そして隣の部屋に湯川と草薙の大学のOBが住んでいるという話から、その人物があの湯川が天才と認める石神哲哉であることがわかる。

学校にも刑事が訪れて事件の日見た映画のストーリーを聞かれたりと捜査の目は美里にも及んでいた。
しかしアリバイに絶対の自信を持つ石神。

そんな石神に靖子は

『どうしてわたしたちを助けてくださるんですか?』

と聞いてみた。


靖子のお店で弁当を買うことができないのは困ってしまうと答える。
しかしその後石神は何かを言いかけるも靖子と会話がかぶってしまい、やめた・・・


湯川学の推理

靖子と公衆電話で話した後、湯川が石神の部屋の前で待っていた。
17年ぶりの再会に喜ぶ二人。


警察は靖子が犯人だと疑っていたが、アリバイを崩せずにいた。
そんな時内海の携帯電話に「遺体発見現場で待つ」と湯川からメールが入る。


湯川は内海に事件の詳細を聞く。

犯人と富樫は野球場で待ち合わせ
     ↓
被害者は盗んだ自転車で野球場まで行った
     ↓
 被害者が殺害される
     ↓
現場近くで衣服が燃やされてた
     ↓
顔と指紋はなくなっていたが、自転車には指紋が付いており、遺体を富樫と断定する



一連の事件の流れを聞いた湯川は

遺体の指まで焼いた犯人が自転車の指紋をはたして吹き忘れるだろうか・・・。
普通なら一刻も早く逃げたいはずだが、事件現場には丁寧に服も燃やした後もある。

と疑問を口にする。


湯川の現時点での考えは

犯人は自転車の指紋をわざと残したのではないか
被害者が事件現場まで自力で来たと思わせるため
そして野球場で事件が起こったと思わせるため

まずは自転車について調べ始める。


盗難された自転車は新品だったため、厳重にチェーンでつながれていた
自転車は盗難届が出されていた。

犯人は盗難届を出してもらいたかったから。わざと新品の自転車を狙ったのではないかと湯川は推理する。
しかしなぜ盗難届を出させることが必要だったのかまだわからない。


完璧なアリバイ

湯川は石神が働く高校に訪れ、石神が常連の弁当屋に誘う。
二人が弁当屋に行くと、突然馴れ馴れしく靖子ちゃんと呼ぶ工藤という男が店内に入ってくる。

直後弁当屋を後にする二人。
湯川は歩いていく石神を見つめていた。


夜石神は湯川に注意するよう、靖子に警告する。
そして湯川が動いていることを知った石神は美里を使って、次のカードを切ろうと考える。

内海は湯川が何かを掴んだのではないかと思い、湯川の元を訪れる。
湯川は内海に推理を話し始める。

富樫を殺したのは花岡靖子

ただ石神は直接殺人に関わっておらず、富樫が殺害されてから事件のことを知った。
事件を知ってしまった石神は取るであろう行動は二つ。

事件の隠蔽
警察の追求を逃れる策を考える

事件の隠蔽が無理だと考えた石神は靖子に指示を与えてアリバイ工作をしているというのが湯川の考えだ。


しかしここで新たな証言が出てくる。

12月2日に靖子と美里は日比谷の映画館で映画を見ていた。
そこで美里のクラスメートの森野くるみと二人は出くわしていた。

富樫の犯行時刻に靖子と美里は間違いなく日比谷にいたが確定的となった
靖子に富樫を殺害することはできない。

事件は振り出しに戻った。


石神の嫉妬(?)

その日靖子は弁当屋に以前聞いていた工藤という男と食事をしていた。
今度は美里も一緒にという工藤に靖子も好感を持っていた。

工藤に家まで送ってもらった靖子。

しかしその状況を石神は見ていた。
その光景に徐々に石神に恐怖していく靖子。


富樫は600万円の借金があり、複数の人物から命を狙われていた。
犯行時刻に靖子と美里は日比谷にいたのが確実となり、警察は富樫は借金絡みで殺されたと捜査方針を変えた。

内海と草薙は石神の勤務する高校に訪れた。

勤務表から
12月2日午前中休み 数学の研究
12月3日午前中休み 風邪で体調が悪かった

と休みの日のアリバイはあったが、2日続けて休んだのは初めてだった。
靖子とは隣人以上の付き合いはないと答えた。


夜靖子と工藤が一緒いることを目撃した石神。
その場を写真に撮り、工藤に対しての嫌悪感を露わにしているようにみえた。


内海と草薙は湯川と食事をとりながら、石神のことを話していた。
話している中で湯川はあることに気づき、勤務表を確認し、突然席を立って帰っていく。

湯川は石神に話がしたいと言って電話する。
石神は今日は忙しいと断り、週末一緒に山に登ろうと湯川を誘った。
そのとき石神は工藤の写真を出して何かをしようとしていた。


湯川と石神の頭脳戦

週末になって山に登る石神と湯川。

工藤の元へは靖子と工藤の写真と一緒に「靖子に近づくなと」と書かれた差出人不明の脅迫状が届いていた。
靖子はそれを出した人物が石神だとすぐにわかり、動揺を隠せなかった。

家に戻った靖子に美里は石神が味方をしてくれるのは靖子のことが好きだからと指摘。
石神に恐怖を覚え始めていた靖子は

『これじゃ富樫が石神さんに変わっただけじゃない。』

と美里に怒鳴ってしまった。


山小屋で休憩している湯川と石神。
石神は湯川に疑われていることはわかっていた。

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石神は湯川がはっきりと推理を口に出さないことを疑問に思う。

そんな石神に湯川は

『君が友達だからだ』

と伝えた。


再び山を登り始めるも猛吹雪で遭難しかける湯川。
しかし石神の助けもあり、二人はなんとか頂上にたどり着いた。

頂上で石神は

『あの問題を解いても誰も幸せにならない。もう忘れてくれ。』

と湯川に告げる。


靖子の元へ公衆電話で電話がかかってくる。
電話の相手は石神。

石神はポストに2通の手紙を2通入れておいたと伝える。

白封筒は今後必要になるため保管しておくように
茶封筒は見たらすぐに処分するように

そして連絡を取るのはこれが最後と言って電話を切った。


石神が警察に自首

翌日石神が富樫を殺害したと警察に自首。
湯川は呆然となる。

石神は取り調べて事件の経緯を語り始める。


12月2日午後7時頃にアパートの近くをうろつく富樫を石神が見つける。
石神は靖子から元夫の富樫から逃げ回っていることを聞いていたため、靖子はもうこのアパートにはいない引っ越したと嘘の住所を書いたメモを渡した。

それから人気のない所に富樫を誘い出し、こたつのコードで首を絞めて殺害。
身元がすぐにバレないよう顔をビニールでかぶせて石で潰し、指紋はバーナーで焼き、衣類はナイフで切り裂いて焼却した。」

アパートに帰ったのは12時すぎ。
犯行に使われたこたつのコード、バーナー、ナイフは部屋にあり、押収された。


警察に自首してきた理由は靖子が裏切ったから。
石神は壁にマイクを取り付けて会話を盗み聞いたりと靖子に対してストーカー行為を及んでいた。

内海と草薙は靖子の元に行って話を聞きに来ていた。
靖子は石神からストーカーの被害にあっていたことや脅迫状をみせた。

一連の証拠や自供から警察は石神の逮捕に踏み切る。


茶封筒の手紙

警察が帰ったあと、靖子は茶封筒の手紙を再度読んだ。

手紙には

ストーカー行為を受けていたこと
何を聞かれても事実だけを言うこと
工藤と一緒になれば幸せになれる
自分を救ってくれた靖子に感謝していること

などが綴られてあった。


湯川は石神が前に言った

『あの問題を解いても誰も幸せにならない』

と言う言葉を思い出し、真実を暴くかどうか苦悩していた。


大学の一室で一人でいる湯川の元に内海が訪れる。
湯川は石神と再会したときに、石神は恋をしているのでは?
と気づいていた。


内海は真実を語ろうとしない湯川に一喝(励まし)

『こんな終わり方でいいの?石神が殺人を犯すなんてありえないと言ったのは湯川先生でしょ。』

内海の励ましもあり、事件に向き合うことに決めた湯川。


靖子のアリバイ

湯川は靖子のところに訪れた。
靖子には富樫を殺害することはできない。
靖子のアリバイは完璧。

しかし靖子自身も違和感を覚えていた。

なぜ嘘をつかず事実を話していいのか
なぜ警察は12月2日のことばかり聞くのか

これにはある理由があった。


靖子が富樫を殺害したのは12月1日だった。

しかし石神は靖子と美里を守るために[keikou]富樫は12月2日に殺害されたように偽装していた。[/keikou]
そのため警察は靖子へ12月2日のことばかり聞いていた。
また12月2日の行動を嘘をつく必要がなかった。

しかし石神は靖子も知らないところでとんでもない罪を犯していた。


湯川が語る事件の真相

石神は拘置所に連行されようとしていたが、内海と草薙がもう一度取り調べをしたいと半ば強引に石神を取調室に連れて行った。
取調室の中に入るとそこにいたのは湯川だった。

湯川はあの山でできなかった話をしようと事件の真相を語り始める。


富樫を殺害したのは靖子
犯行場所は靖子の部屋

犯行が行われていたそのとき石神は物音で気づいた。


石神が中に入ると富樫がすでに殺害されていた。
警察に自首しよとする靖子。

犯行は背後からこたつのコードで首を絞められた富樫は首に巻きついたコードを外そうと手をかけようとしていた。
しかし美里が腕を押さえつけてそれを阻止した。

富樫の腕には美里が押さえつけてできた指の跡がしっかりついていた。
このままでは確実に美里も共犯となってしまう。

状況を確認し、アリバイを作りましょうと言う石神。


石神が立てた計画は

もう一つ別の他殺体を用意して、その遺体を富樫に思わせること

大森の野球場にあった遺体は富樫ではなく別人。

石神はホームレスの男にお金を渡し仕事を依頼した。
その男に富樫の借りていた部屋に夜まで待機させた。

富樫の借りていた部屋にその男を待機させ、指紋と毛髪を富樫の部屋に残す目的があった。

その後富樫の服に着替えた男は夜に石神と合流し、盗んだ自転車で大森まで移動。
そしてホームレスの男を殺した、


遺体は富樫と思わせるために男の顔をつぶし、指紋をバーナーで焼いた。
自転車の指紋を残して、焼いた衣類をわざと残したのは宿との痕跡を一致させるため。
そして警察に犯人のミスだと思わせるため。

そしてまずはできすぎた完璧なアリバイを作り、警察の疑いを靖子に集中させた。


ただ大森で見つかった遺体はホームレスのもので靖子には関係がない。
また靖子は石神がホームレスを殺害したことを知らない。

そのため警察が靖子のアリバイを崩せるはずもなかった。


この事件は警察はアリバイを崩すことに躍起になっていたが、実は靖子のアリバイは関係ないところで行われていた遺体のすり替えが重要となっていた。
石神は富樫の遺体はホームレスの殺害と並行して処分した。

その行動を行うために学校を2日間休んでいた。


このトリックにはもう一つ重要な点があった。

靖子の代わりに自首するだけならば、遺体を殺したのが石神じゃないとわかれば靖子と美里が疑われる。
ただ実際に遺体の殺人者は石神。

そのため一連の事件の罪のすべてをかぶることができる。

愛する人を完璧に守れる

これが石神の立てた計画。

湯川は推理を石神に伝えた。
しかし石神は認めない。

湯川が靖子に真相を伝えても富樫の本物の遺体は見つからない。
たとえ見つかっても第一審の判決を受け入れて、石神が控訴をしなければ事件のすべては終了している。


部屋から出ていく石神に湯川は

『そのすばらしい頭脳をこんなことに使わなければならなかったとは・・・』

に対して

『そんなこと言ってくれるのは湯川、君だけだよ。』

と答えた。


このシーンでは

湯川の苦悩と無念
石神の湯川への感謝

が垣間見えたように思いました。


最後の結末

石神はどうしてそこまでして靖子を守るのか?
二人の間に何があったのか?


ある日石神は首を吊って死のうとしていた。
今まさに死のうとしたその瞬間、インターホンが鳴り、出るとそこには靖子と美里が引っ越しの挨拶に来ていた。

石神は死ぬことを思いとどまる。
その後も靖子と美里と交流していく中で石神に今まで自分になかった感情が芽生え始める。

石神にとって靖子と美里は命の恩人、そして初めて愛を感じさせてくれる存在だった。


連行されていく石神。
その目の前に靖子が突如現れた。

『あたしたちだけ幸せになるなんて無理です。わたしも罰を受け入れます。』

と石神を見つめながら、泣き叫ぶ靖子。


『どうして・・・』

とつぶやき泣きわめく石神。

それを取調室で聞いていた湯川は涙してた。


大学で湯川の元を訪れた内海は事件の近況を伝える。

靖子が富樫殺害を認める
石神は事実を否認

湯川は石神は人をそれだけ深く人を愛することができたんだ・・・
と内海につぶやく。


さいごに

今回映画容疑者Xの献身のあらすじをネタバレありでお届けしました。
湯川と石神の頭脳戦、なかなか見ごたえがありましたね。

『ガリレオ』シリーズの最後は2022年公開された『沈黙のパレード』。
劇場版第4作目見てみたいですけどね。

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